- この記事のハイライト
- ●負動産とは、何の利益も生まず所有しているだけでマイナスにしかならない不動産のこと
- ●負動産を処分する方法は、売却・空き家バンクへの登録・自治体への寄附がある
- ●相続放棄により負動産の所有は回避できるが、相続放棄後も管理責任が残る場合がある
不動産を相続して売ろうとしても買主が見つからない、借り手が付かないなどの悩みを抱える方が増えています。
このような不動産は「負動産」と呼ばれることがあり、税金や管理費だけを支払い続けるような不動産です。
そこで、負動産とはどのような不動産なのか、また負動産を処分する方法と所有を回避する方法を解説します。
大阪府箕面市中心、箕面市から隣接している池田市で不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
相続前に知っておきたい「負動産」とは?
相続する相続財産のなかに不動産が含まれている場合、その不動産がマイナスにしかならない「負動産」となってしまう可能性があります。
ここでは、負動産とはどのような不動産のことを指すのか、また負動産の例と負動産を所有するデメリットについて解説します。
負動産とは
負動産とは、所有しているだけでマイナスにしかならず、何の利益も生み出さない不動産のことです。
たとえば、売ろうとしてもなかなか売れない、維持費や税金だけがかかるようなケースです。
負動産になりやすい不動産は、以下のようなものが挙げられます。
●相続した家や土地
●空室の多い賃貸物件
●別荘やリゾートマンション
人口の減少や地方の過疎化が急速に進行していることが負動産となってしまう要因の1つです。
近年は、空き家が全国的に増加傾向にあり、社会的な問題にまで発展しています。
相続した不動産も空き家となることが多く、負動産となっているケースが多々見られます。
その原因は、相続した空き家が過疎化が進む地域であったり、人口が少なく買い手が付かない需要が少ない地域であったりするからです。
また核家族化が進んでいるため、そのような地方から離れ、別の地域で家を構えていることも挙げられます。
そのため、相続した不動産は空き家として放置されるケースが多いのが現状です。
実際に総務省が公表している「平成30年住宅・土地統計調査」では、2018年で空き家が住宅総数の13.6%を占めています。
今後は3軒に1軒が空き家になってしまうと予測されています。
また、賃貸物件で空室が多い場合は、赤字経営が続き負動産となってしまうケースが多いです。
そのほかにも、かつては資産価値が高かった別荘やリゾートマンションが、近年は資産価値が激減し負動産となっていることがあります。
このように、買い手や借り手も付かないうえに、税金や管理費だけが発生し続けるのが負動産です。
負動産を所有するリスク
負動産を所有することは、前述したように税金だけを支払い続けるほうかにもいくつかのリスクがあります。
負動産となってしまった不動産は、資産価値がないような物件が多いです。
そのため、多くの場合が老朽化が進んでおり倒壊のリスクが懸念されます。
もし倒壊して他人を怪我させてしまえば、損害賠償を請求されてしまう可能性があるため注意が必要です。
また、負動産でも所有している以上は適切な管理が必要になります。
管理せずに放置しておくと、近隣住民からクレームが来たり、自治体から特定空家に指定されるリスクもあります。
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相続した負動産を処分する方法とは
負動産を相続してしまった場合は、できるだけ早く処分したいとお考えの方もおられるでしょう。
負動産を処分する方法は「売却する」「空き家バンクに登録する」「自治体へ寄附する」の3つの方法が挙げられます。
それぞれの方法をご説明します。
処分方法1:売却する
負動産の対策としてまず検討したいのが、売却する方法です。
ただし、負動産となればそう簡単には売却することは困難です。
そのため、物件によって以下のような対策をおすすめします。
●そのままの状態で売却
●リフォームや解体して売却
●不動産買取を検討する
まず、手っ取り早く費用をかけずに売却したい場合は、そのままの状態で売却を検討しましょう。
査定をしてみると、売却できる可能性もあります。
また、老朽化により倒壊などが懸念される場合は、リフォームや解体などを施して売却するのも1つの方法です。
ただし、リフォームや解体は費用が高額となることが多いため、十分に検討する必要があるでしょう。
個人の買主への売却が難しい場合や費用をかけたくない場合は、不動産買取という方法もあります。
不動産買取とは、不動産会社が直接不動産を買い取る方法です。
なかなか売却できない負動産でも、不動産会社なら買い取れるケースもあります。
箕面ハウジング株式会社は買取に対応しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
処分方法2:空き家バンクに登録する
各自治体では、空き家対策として「空き家バンク」というサービスを設けています。
空き家バンクとは、空き家を売却したい・貸し出したい方と、空き家を活用したい方とを結びつけるサービスです。
空き家バンクの登録は無料でできるので、まずは空き家バンク制度があるのかお近くの自治体へ問い合わせてみると良いでしょう。
処分方法3:自治体へ寄附する
自治体へ寄附をするのも処分方法の1つです。
売却ではないため、無償で手放すことになりますが、税金や管理の手間から解放されます。
ただし、自治体の場合は、活用予定がなければ寄附を受け付けていない場合があります。
そのため、まずは自治体へ受け入れてもらえるか相談してみてはいかがでしょうか。
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相続放棄により負動産の所有を回避する方法とは
負動産の所有を回避する方法には、相続前であるのなら「相続放棄」という選択肢もあります。
通常、相続が発生すると、相続財産すべてを相続する「単純承認」か、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する「限定承認」か、すべてを放棄する「相続放棄」の3つから選択します。
相続放棄を選択する際の注意点としては、負動産だけでなくすべての財産を放棄することです。
つまり、現金や預貯金などもすべて放棄することになります。
相続放棄の手続き方法
相続放棄するには、3か月以内に家庭裁判所にて手続きをおこなう必要があります。
この期間を過ぎると、すべてを相続したことになるため注意が必要です。
相続放棄しても管理責任が残る場合がある
相続放棄をすれば、税金の支払い義務はなくなります。
しかし、被相続人と同居していたような場合は、負動産の管理責任は残る場合があるため注意が必要です。
管理が難しい場合は、家庭裁判所に申立てをおこない「相続財産清算人」を選任してもらう必要があります。
相続財産清算人とは、清算後残った財産を国庫に帰属させる方です。
空き家であれば、まずは売却などを検討し、それが難しいなら土地を国庫に帰属させる手続きをとります。
相続財産清算に引き継いでおけば、相続放棄後は管理をする必要はありません。
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まとめ
相続により負動産となってしまった場合は、所有しているだけでデメリットやリスクが多いことから、なるべく早く手放したいものです。
相続放棄という選択肢もありますが、プラスの財産もすべて放棄することになるため、慎重に考える必要があります。
物件に応じた売却方法を検討してみてはいかがでしょうか。